【美しい日本語】季節・強さ・場所による「風」の名前
時に穏やかに、時に激しく吹く風。
そんな風にも、様々な名前があることをご存知ですか?
今回は様々な風の名前についてご紹介していきたいと思います。
●季節の風
春
・春一番(はるいちばん)
立春の後、最初に吹く強い風。春の到来を告げるもの。
夏
・日方(ひかた)
夏の季節風。日のある方から吹く風のこと。
・薫風(くんぷう)
初夏、新緑の香りを運ぶ風。
・凱風(がいふう)
初夏、南から吹くそよ風。
秋
・秋風(あきかぜ)
秋に吹く涼しい風。
・木枯らし(こがらし)
秋から冬にかけて、葉を散らせて冬を連れてくる、冷たい風。
冬
・空風(からかぜ)
冬の強く乾いた風。雨や雪を伴わないもの。
●嵐の字がつく風
・春嵐(はるあらし) = 「春荒れ」「春疾風」
春に吹く強風。時に雨を伴うこともある。
・花嵐(はなあらし)
桜の季節に吹く強い風。散り乱れた花びらの様子。
・青嵐(あおあらし)
初夏に吹く、やや強い風。青々とした草木を揺らす風。
・雪嵐(ゆきあらし)
雪と共に吹く強い風。吹雪のこと。
・朝嵐(あさあらし)
早朝に吹く強い風。
●場所と向きによる風
・陸風(りくかぜ)
夜間、陸から海へと吹く風。(夜間の風は陸から海へ向かって吹く)
・海風(うみかぜ)
昼間、海から陸へと吹く風。(昼間の風は海から陸へ向かって吹く)
・出し風(だしかぜ)
山から沖へと吹く風のこと。船出に良い風。
●強さを意味する風
・微風(そよかぜ) = 「軟風」(なんぷう)
木の葉がそよそよと絶えず揺れるほどの風。
・和風(わふう)
穏やかに吹く風。砂埃が舞ったり、白波が多く立つほど。
・雄風(ゆうふう)
激しく吹く風。雨の日には傘をさすのも困難なほど。
・烈風(れっぷう)
極めて激しく吹く風。滅多に吹くことはないものの、吹けば山のような大波で被害をもたらすほど。
●吹き方による風
・天つ風(あまつかぜ)
空高く、上空に吹く風。
・旋風(つむじかぜ) = 「辻風」(つじかぜ)
渦を巻いて巻き上がる風のこと。
●その他にも……
・悪風(あくふう)
害をもたらす暴風。
・煽風(あおちかぜ)
物をばたばたと煽る風。
いつでも身近に感じる風。
その強さや時期、場所、向き、様子などから、たくさんの名前がつけられています。
あなたが頭の中でイメージした風には、どんな名前が相応しいのか、適切な表現に出会えると良いですね。