【キャラ設定】『高校生一人暮らし』にリアリティを持たせる
高校生で一人暮らしーー現実ではなかなか聞くことはありませんが、創作ストーリーの中では定番とも言える設定ですよね。
フィクションの中では何でもあり! ……とはいえ、少しでも現実世界に即した設定で、作品にリアリティを持たせたい創作者は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、『高校生が一人で生活している』という境遇を可能にする設定を、いくつかご紹介していきたいと思います。
●そもそも高校生の一人暮らしは可能?
まず、現代日本の決まりごとのなかで、『高校生の一人暮らし』が可能なのかどうかという疑問についてお答えします。
結論から言って、高校生の一人暮らしは可能です。
現実に、少数派とはいえ、一人暮らしをしている高校生は存在しています。
●クリアすべき三点
では具体的に、『高校生の一人暮らし』を実現するためにクリアすべき三点を確認していきましょう。
必要なのは以下の三点です。
- 保護者の承諾
- 資金の保証
- 公立高校でないこと
それでは、順番に詳細を見ていきましょう。
・保護者の承諾
高校生の一人暮らしには保護者の承諾が必要です。
なぜなら、未成年である高校生は、一人暮らしのための部屋を借りる際に、保護者の同意が必要であるためです。
未成年単独では、そもそも賃貸契約ができないのです。
・資金の保証
一人暮らしには当然、家賃、ガス・電気・水道代、食費といった費用がかかります。
これを、健全な学生生活を送りながらバイトで賄うことは大変難しく、多くの場合、保護者からの金銭的支援が必要になってきます。
高校生の一人暮らしを実現させるには、『親もしくは何者かからの仕送りがある』だとか、『出席日数ギリギリでのバイト生活』『破格の報酬が得られる特殊なバイト先』などといった設定が必要になってきますね。
・公立高校でないこと
『高校生の一人暮らし』と銘打つ以上、キャラクターは高校に通っているはずです。
しかしながら、それが公立高校である場合、一人暮らしには重大な問題が発生してしまいます。
公立高校には、生徒と保護者が同じ住所に住んでいなければならない、という原則があるのです。
そのため、キャラクターは『私立高校に通っている』か、『入学書類の提出後に、学校側に秘密で一人暮らしを始めた』などといった設定が必要になってきます。
●具体的な境遇例
実際に『一人暮らしの高校生』というキャラクターを作り上げるにあたって、いくつか設定例をあげてみましょう。
①住居は実家、親が不在
・親は海外出張や世界一周旅行中。
・親は多忙、自由奔放、育児放棄などで常に家を空けている。
②親の承諾、資金援助付きで部屋を借りてもらえた(公立校でない)
・親が早期の自立訓練を促している。
・借金のカタとして悪い人たちに身柄を押さえられている。
③家出をした先で……。
・金持ちな誰かがこっそり部屋を貸してくれている。
・知人の家に転がり込んだが、家主はほとんど家を空けている。
・空き家やテントで勝手に生活している。
●まとめ
それでは最後に、『高校生の一人暮らし』を可能にするための必要条件を振り返ってみましょう。
重要なのは以下の三点です。
- 賃貸契約のため、保護者の承諾がある。
- 生活費のため、資金の保証がある。
- 公立高校の生徒ではない。(または、生徒と保護者が同じ住所である、という原則を何らかの方法でパスしている)
この三点を念頭に置いて、ご自分の物語にあったキャラクター背景を設定してみてくださいね。
【地球の神秘】「深海」とは何かを知る基礎知識
地球の70%を占める海。
さらにその98%を占める深海には、いまだに多くの未知が溢れています。
●そもそも深海とは?
深海には厳密な定義というものはありません。
しかし、一般的に深海は水深200m以上の海とされています。
(水深とは、水面を0mとして、水底に向かって深さを示したものです)
そもそも、水面から水深200mまでの海水と、200mより深い海水は、混じり合うことのない異なる流れを持っています。
私たちが海と言われて想像する流れのある海は、水深0~200mの「表層」の姿であり、200mより深い深海においては、海水はゆっくりと循環しているのです。
●深海と光
さて、深海と言えば、光の届かない真っ暗な海を想像しますよね。
実際、深海ではどれほど日の光が届くのでしょうか。
人の目で見える海は
・水深10m以上 : 全て青
・水深70m以上 : かなり暗い
・水深200m以上 : 色の知覚できない灰色の世界
・水深400m以上 : 完全な暗闇
であるとされています。
ちなみに最も深い海底は、マリアナ海溝の最深部、水深10,911mです。
この数字を知ると、深海がどれほど広大な暗闇であるかというイメージが湧いてくるのではないでしょうか。
とはいえ、これは人の目を基準としてみた話です。
実際の所、日光は水深1,000mまで僅かに届くとされています。
そのため、水深1,000mまでの深海に住む生物は、この僅かな光を拾い上げるための巨大な目を持っているのです。
深海ザメやダイオウイカが、ぎょろりとした大きな目を持っているのは、こうした理由があってのことなんですね。
●深海の神秘
闇と神秘に満ちた深海。その海底には「海底の湖」というものが存在します。
これは塩水溜まりと呼ばれるもので、塩分濃度の高い海水が沈み、海底に溜まったものを言います。
そのため、海水同士の境界が目に見える形となり、あたかも海水の中に湖があるかのような、不思議な光景が生まれるというわけです。
【美しい日本語】季節・強さ・場所による「風」の名前
時に穏やかに、時に激しく吹く風。
そんな風にも、様々な名前があることをご存知ですか?
今回は様々な風の名前についてご紹介していきたいと思います。
●季節の風
春
・春一番(はるいちばん)
立春の後、最初に吹く強い風。春の到来を告げるもの。
夏
・日方(ひかた)
夏の季節風。日のある方から吹く風のこと。
・薫風(くんぷう)
初夏、新緑の香りを運ぶ風。
・凱風(がいふう)
初夏、南から吹くそよ風。
秋
・秋風(あきかぜ)
秋に吹く涼しい風。
・木枯らし(こがらし)
秋から冬にかけて、葉を散らせて冬を連れてくる、冷たい風。
冬
・空風(からかぜ)
冬の強く乾いた風。雨や雪を伴わないもの。
●嵐の字がつく風
・春嵐(はるあらし) = 「春荒れ」「春疾風」
春に吹く強風。時に雨を伴うこともある。
・花嵐(はなあらし)
桜の季節に吹く強い風。散り乱れた花びらの様子。
・青嵐(あおあらし)
初夏に吹く、やや強い風。青々とした草木を揺らす風。
・雪嵐(ゆきあらし)
雪と共に吹く強い風。吹雪のこと。
・朝嵐(あさあらし)
早朝に吹く強い風。
●場所と向きによる風
・陸風(りくかぜ)
夜間、陸から海へと吹く風。(夜間の風は陸から海へ向かって吹く)
・海風(うみかぜ)
昼間、海から陸へと吹く風。(昼間の風は海から陸へ向かって吹く)
・出し風(だしかぜ)
山から沖へと吹く風のこと。船出に良い風。
●強さを意味する風
・微風(そよかぜ) = 「軟風」(なんぷう)
木の葉がそよそよと絶えず揺れるほどの風。
・和風(わふう)
穏やかに吹く風。砂埃が舞ったり、白波が多く立つほど。
・雄風(ゆうふう)
激しく吹く風。雨の日には傘をさすのも困難なほど。
・烈風(れっぷう)
極めて激しく吹く風。滅多に吹くことはないものの、吹けば山のような大波で被害をもたらすほど。
●吹き方による風
・天つ風(あまつかぜ)
空高く、上空に吹く風。
・旋風(つむじかぜ) = 「辻風」(つじかぜ)
渦を巻いて巻き上がる風のこと。
●その他にも……
・悪風(あくふう)
害をもたらす暴風。
・煽風(あおちかぜ)
物をばたばたと煽る風。
いつでも身近に感じる風。
その強さや時期、場所、向き、様子などから、たくさんの名前がつけられています。
あなたが頭の中でイメージした風には、どんな名前が相応しいのか、適切な表現に出会えると良いですね。
【美しい日本語】形状・降り方・美しさを表す「雪」の名前
雨や風のように、雪にもたくさんの名前が存在することを知っていますか?
今回は聞き覚えがあるであろう雪の名前から、普段聞くことのない雪の名前まで、いくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
●雪の種類 (空)
・灰雪(はいゆき)
灰のように降る、最も細かい雪。
・粉雪(こなゆき)
粉のように軽く細かい雪。灰雪よりも少し大きな雪。
・細雪(ささめゆき)
細かかく、まばらに降る雪。
・綿雪(わたゆき)
ちぎった綿のような、ふわふわとした雪。
・花弁雪(はなびらゆき)
花弁のように大きな雪。
・牡丹雪(ぼたんゆき)
ぼたぼたと降る、大きな雪。
・小雪(こゆき)
少しだけ降る雪。
・淡雪(あわゆき)
春先の雪。積もってすぐに消えてしまう雪。
・薄雪(うすゆき)
薄く積もった少量の雪。
●雪の種類(地面)
・固雪(かたゆき)
積もって固まった雪。凍りなおした固い雪。
・冠雪(かんせつ)
物の上に覆い被さるように降り積もった雪。
・残雪(ざんせつ)
春になっても残っている雪。
●美しい雪
・白雪(しらゆき)
真っ白で美しい雪。
・銀雪(ぎんゆき)
銀色に輝く美しい雪。
・玉雪(たまゆき)
球状の雪。宝石のように美しい雪。
・風花(かざはな)
晴天の下、花びらが舞うようにちらつく雪。風で舞い上げられた軽い雪。
●特殊な意味の雪
・瑞雪(ずいせつ)
めでたい印とされている雪。幸せをもたらす雪。
・友待つ雪(ともまつゆき)
次の雪を待つかのように、長く溶け残っている雪。
・忘れ雪(わすれゆき) =「名残雪」(なごりゆき)
その冬最後の雪。冬の終わりを名残惜しむような雪。
雪には、その大きさや重さ、さらには降り積もった後の状態によって、様々な名前がつけられています。
暖かな部屋から窓の外をみて、「○○雪だ」なんて思えたのなら、それは一風変った雪景色の楽しみ方かもしれませんね。
【美しい日本語】時期・降り方による「雨」の名前
ぱたぱたと落ちるような雨や、ざぁざぁと打ち付けるような雨。
こうした雨の種類や、その呼び方を、どのくらいご存知でしょうか。
今回は様々な雨の名前をご紹介していきたいと思います。
●時期による雨
・木の芽雨(このめあめ)
春、木の芽が出る頃に降る雨。
・催花雨(さいかう)
春に向けて、花に「咲け」と催促するように降る雨。
・春雨(はるさめ)
春にしとしとと降る静かな雨。
・五月雨(さみだれ)
五月に長く降る雨。
・翠雨(すいう) = 「緑雨」(りょくう)
初夏、青葉に降り注ぐ雨。
・催涙雨(さいるいう)
七夕に降る雨。織り姫と彦星が再会することが叶わなかった涙。
・秋雨(あきさめ/しゅうう)
夏から秋にかけて、長く降り続ける雨。
・時雨(しぐれ)
秋から冬にかけて、降ったり止んだりを繰り返す雨。
・氷雨(ひょうう)
冬に降る冷たい雨。雹(ひょう)や霰(あられ)も含む。
●降り方による雨
・霧雨(きりさめ)
霧のように軽く細かい雨。
・糠雨(ぬかあめ)
音もなく、静かに降る細かい雨。
・通り雨(とおりあめ)
通り過ぎるように、サッと降ってサッと止む雨。
・長雨(ながあめ) = 「淫雨」(いんう)「霖雨」(りんう)
何日にも渡って降り続け、なかなかやまない雨。
・にわか雨(にわかあめ)
広範囲に長く降り続ける、一定の強さの雨。
(夏の午後に降るものを夕立と呼ぶ)
・豪雨(ごうう)
一時的、かつ激しく降る雨。
・篠突く雨(しのつくあめ)
篠竹を突くように、地面を激しく叩きながら降る雨。
●意味を持つ雨
・甘雨(かんう)
良い雨。潤いをもたらす雨のこと。
・慈雨(じう)
恵みの雨。干ばつの時期に降るありがたい雨。
●特殊な名前
・狐の嫁入り(きつねのよめいり) = 「天気雨」(てんきあめ)
晴れの日に降る雨。
・遣らずの雨(やらずのあめ)
客人が帰る頃になって、引き留めるように降り出す雨。
●『雨のような』現象
・樹雨(きさめ)
濃霧によって樹木に水滴が付着し、絶えず雨のように大粒の水滴が降る現象。
・天泣(てんきゅう)
雲がないのに降る雨。遠方の雨が風で運ばれたもの。
雨には、その強さや時期、意味合いなどから様々な名前がつけられています。
名前だけは聞いたことがある、という雨もあれば、思いの外、その意味を勘違いして覚えている雨もあったのではないでしょうか。
日常で様々な雨を体感と共に、その雨を示す言葉が思い浮かぶと素敵ですね。
【美しい日本語】光が作り出す幻想的な「空」の現象
何気なく見上げる空。
そこにある美しくも不思議な現象には、数々の名前がつけられています。
今回はそこから、光が作り出す空の現象をピックアップしてみました。
●光芒(こうぼう)
雲の隙間から降り立つ光の筋。今にも天使が舞い降りてきそうな、この光の柱を見たことはありますか?
一般に、「天使の梯子」などとも呼ばれるこの光は、光芒と呼ばれています。
この光芒が生み出す幻想的な光景を、いくつかご紹介します。
・太陽柱(たいようちゅう)
太陽から真っ直ぐに立ち上る、一本の光の筋(光芒)が見える現象です。
日の出や日没の際に確認できることがあります。
・月柱(げっちゅう)
太陽柱と同様に、月から真っ直ぐに立ち上る、一本の光芒が見える現象です。
・光柱(こうちゅう)
こちらは、遠くの街灯や漁火を光源として、空に立ち上る光芒が見える現象です。
太陽柱や月柱にくらべて高く見えるほか、光源の数だけ柱が見える、といった特徴があります。
(漁火による光柱を、「漁火光柱」ともいいます)
●白虹(しろにじ/はっこう)
白い虹、というものをご存知でしょうか。
光の屈折によって生まれる七色の虹は、雨上がりの光景としても有名ですよね。
しかし、同様の原理で発生しながらも、光の弱さなどといった理由から、肉眼では白色として確認できる虹というものがあります。
この白虹によって象られる現象を、いくつかご紹介します。
・日暈(ひがさ/にちうん)/月暈(つきがさ/げつうん)
太陽や月を中心として、その周囲に光の輪が表れる現象のことです。
太陽や月に薄い雲がかかったときに発生します。
・月虹(げっこう)
夜間、月の光によって表れる虹のことです。
虹色として確認出来る場合もありますが、月の光の弱さから、白い虹として確認出来る場合もあります。
・霧虹(きりにじ)
霧によって光が拡散され、白色の光の輪が見える現象です。
太陽を中心に輪が生まれる日暈などとは異なり、こちらは太陽を背にしたときに見える光景です。
●その他にも……。
・幻日(げんじつ)/幻月(げんげつ)
太陽や月が空にあるとき、同じ高さの離れた場所に、同様の光が見える現象です。
・彩雲(さいうん)
太陽の近くを通りかかった雲が、虹のような様々な色に見える現象です。
こうした光の現象は、大気光学現象と呼ばれています。
光と大気が織りなす美しい光景は、まだまだ存在していますから、興味があれば是非とも調べてみてくださいね。
【美しい日本語】時間帯を表す「空」の名前
小説などの文章表現には欠かせない自然の描写。
これらは時間帯や雰囲気、心の描写としても活躍することがありますよね。
今回は空の様子を示す言葉を、時間帯別にまとめてみました。
●夜明け前
・暁(あかつき) = 「未明」「明け方」「夜明け」
太陽が出る前の、空が明るくなり始める時間。明るくなる前の状態。
(夜を三区分すると、日の入りから順に「宵」「夜半」「暁」となり、その内で最も日の出に近い時間)
・東雲(しののめ) = 「曙」
太陽が出る前の、東の空が明るくなる時間。暁よりも日の出に近い、空が茜色に染まる頃。
・曙(あけぼの) = 「東雲」
夜が明け始め、日の出が始まる一歩手前の時間。
(夜から明け方にかけて、その推移を細分化するのであれば、暁→東雲→曙となる)
●朝
・黎明(れいめい)
夜明け、明け方の時間。橙、紫、青が混じったような美しい空。
・朝焼け(あさやけ)
日の出のとき、東の空が赤く見える現象。
●夕方
・夕焼け(ゆうやけ)
日の入りにあたって、西の空が赤く染まる現象。
・夕暮れ(ゆうぐれ)
日が沈む時間。夕焼けが見える時間。
・黄昏時(たそがれ) = 「誰彼時」「逢魔時/大禍時」
夕方の薄暗い時間。「誰彼は」と相手に尋ねなければ顔が分からないような薄暗さ。
魔のものに出会いやすい時間として、「逢魔が時」(おうまがとき)とも呼ばれる。
●夜
・宵(よい)
日が暮れてすぐの時間。
(夜の時間を三区分すると「宵」「夜半」「暁」となり、その内で最も日の入りに近い時間)
●その他共通表現
・薄明(はくめい)
日の出前や日の入り直後の、うっすらと明るい空の表現。
光が織りなす、美しい空の光景。
作品タイトルや情景描写において、少しだけ言い回しを変えてみるだけでも、音として表現される新たな美しさがあるかもしれませんね。